DM薄紙印刷情報増量計画

運営会社:カワセ印刷株式会社

 

たった2グラム、されど2グラム

 弊社の「DM薄紙印刷~情報増量計画~」のトップページには、

こんな感じで「情報量で損しています!」とデカデカとメインで訴求していますが、                              時には否が応でも情報量が増えてしまい想定外の郵送コストが発生してしまうケースがあります。                    その時に印刷会社がどの様にお客様のお悩みを解決しているのか?実例をもとに紹介していきたいと思います。                                           

1.よくあるパターン

パターン① お客様の部門間での連絡が滞っていて、郵送コスト増の問題が急遽発生する                                  パターン➁ ●●庁の御達し、法令上の関係で、その内容を踏まえた印刷物を作成しなければならなくた。                                                                            郵送コスト増を踏まえて○○グラム以下の別冊子を作成しなければならない

共通していえるのが、とにかく時間が無い中での提案になることがほとんどです。                               その為お客様も焦っているので語気も荒く、レスポンス良く冷静に対応することを心掛けています。時折、草葉の陰で泣いている私がいます…。

2.今回のご相談内容

 ある保険会社様の保険約款が改訂になり、従来の表紙+44ページから8ページ増え、表紙+52ページになることが急遽決まりました。                                                                         この約款冊子、従来の重さが30.2g/冊のなのですが、8頁増えてもこの重さを維持しなければ郵送料金の問題でかなりのコスト増になってしまうとか…。                                                             因みにこのお客様は約款のデータ制作と封入封緘を自前で行っており、印刷と製本加工のみアウトソーシングしている珍しいお客様です。

従来の重さ以下にして、情報増量計画を現実化したい、その提案をしてほしい。 

というのが今回の問い合わせの内容でした。

3.提案とサンプル作成

 私は上記のメール内容で返信。                                                                                   表紙と本文の用紙をワンランク軽くして冊子を作製する提案いたしました。                                       8ページ増やしても計算上は28g/冊で想定をクリアー…あくまでも机上の計算です。                               既存の約款冊子は、実計量30.2g/冊ということで、大体約2グラムの誤差です。                                     たった2グラム…されど2グラム。

「まさにグラムマニアの世界」ですね!                                                                 ※このサイトの屋号の候補が『グラムマニア』でした(笑)

早速提案が受け入れられ、印刷していない状態の仮サンプルを作成することに。                                   それがこちら

なんと28.2g/冊です

この約款冊子、中綴じ本と言って、針金で綴る本になります。                                                  この0.2gの誤差は、ほぼ本の冊子に使う針金の重さだと思うのですが…。                                       (さすがに針金の重さまでは計算できません)                                                                    ですが見事に30.2g/冊より軽くすることは出来ました。

4.注意しなければならないこと

 それは、ターゲット重量と計算で算出した重量がほぼイコールになってしまう場合です。

用紙も製造物なので「製品規格」というものが存在します。重量に関しても製品規格の±●●の範囲内で合格・不適合を判定しているため、その製造ロット内においても重さの誤差が生じます。                              ページ物である場合は、その誤差(ばらつき)が加算され、重量オーバーになる危険性もゼロではありません。                                                                                              とは言っても工業製品は、「製品規格」に対して「できばえの品質」を追求して物を作っているため、そのばらつきは正規分布の様相を呈します。

こんな感じで彎曲を描きます。                                                                             これを「ベルカーブ」と呼んでいます。

μを母平均(規格)としてσを分散(ばらつき)と考えると確率密度はグラフ上に書かれたに確率入り、±3σを超えて重量の誤差が発生する確率は0.03%未満となります。なので、そこまで神経質になることはないと考えています。                                                                                ご安心を!                                                                                               まあ、マイナスになる分には問題は無いのですが。

私の場合、ページ数やサイズにもよりますが大体ターゲット重量の5以上~10%少なくなる様に計算し、お客様にご提案しております。                                                                       用紙重量のばらつきやインキの重さを勘案してのことです。

5.最後に

 今回の約款冊子は、もともと超軽量紙(30g/㎡)を使用しており、冊子軽量化のため超超軽量紙(25g/㎡)を採用してのご提案となりました。                                                          これらの軽量紙に対応できる印刷会社はもともと数が少なくかつ、歩留まりも上がらない(加工難易度は高い)ため、どうしても金額に反映されやすくなります。                                                 最終的には、お客様のコスト差額分析でご判断する形になります。

つまり、郵送料金のコスト増と印刷物の製造コストを見比べて意思決定を図る

ということですね。                                                                                     一般的に印刷会社それぞれに得手不得手があり、すべての印刷会社の担当者がこのような提案を得意としている訳ではありません。                                                                          やはり、弊社の様に                                              

薄紙印刷/薄紙加工

を専門にしている会社に問い合わせるのがレスポンス良く対応できるので、結果一番の時間短縮につながります。

このような事例でお悩みごとがあれば是非、いや一番に弊社へご相談下さい。

文章作成/齋藤良憲

■プロフィール                                                                                              「説明書(取説)の虎」との異名を持つ薄紙印刷業界のプロフェッサー。                                        製本機メーカーで働いていた経歴もあり、印刷全般の技術・知識にも精通。                                        QC検定や宅建士も取得している勉強熱心なプレイングマネージャー。                                              水泳とお酒、沖縄旅行好きな一面もある。