【薄紙事例】信用金庫様の会員規約の事例
今回の事例は同業の印刷会社様からのご相談です。
※権利関係からモザイクを入れています。
1. ご相談の経緯
印刷業界では印刷会社同士で仕事の受発注が多く、 「社内で印刷(加工)ができないから、同業他社様へ」ということがよくあります。 単に「設備がない」という理由もありますが、「予定がいっぱいで入らない」という理由も多いのが特徴です。 そのため、実は孫請け、ひ孫請け・・・なんてことがよくある業界です。 今回のご相談は前者で、「薄紙が印刷できない」という理由になります。 弊社では、この理由のご相談を多く頂いています。
2. ご依頼の内容
封入物が大幅に増えることになり、メインの案内冊子の『会員規約』の重量下げたい。 という相談がとある印刷会社様にあり、その印刷会社様から弊社にご依頼がありました。 現状の印刷物の仕様が
210mm×100mmサイズの60P冊子 用紙:A判28.5㎏(52.3g㎡) 重量:約33g
こちらの印刷物の「ページ数を変更せず、30g内に収める」というのが今回の依頼内容になります。
3. ご対応の内容
まず印刷物の重量はある計算方法で導き出すことができます。その数式がこちら
印刷物の重量(g) = 紙の坪量(g/㎡) × 印刷物の面積(㎡)
知識のない方ですと「紙の坪量」というのが謎かと思います。紙の坪量とは、用紙1枚の1㎡あたりの重さのことをいいます。こちらも計算で算出できるのですが、だいたい坪量は一覧がありますので今回は割愛します。 ※一般的なサイズの重量は、弊社サイトこちらのページで一覧表にしています。超便利!と評判です。
今回の冊子の場合、現状仕様から計算しますと
52.3g㎡×(0.21m×0.1m)×30P=32.949・・・約33g
となります。こちらを30g以内に収めるには・・・
42g㎡×(0.21m×0.1m)×30P=26.46・・・約27g
用紙をA判23.1㎏(42g㎡)に変更することで可能になると計算上は答えがでました!現状から厚みを1ランク下げることで、どうやら目標をクリアーできそうです。
4. ダメ押しの一手
計算上は目標をクリアーできることが判明しましたが、やはり計算だけなので「ホントかな?」と思うのが人の心。。。。 ここで作成するのが『束見本』になります。 束見本とは、「実際の紙を使用した印刷されていない、実物のサンプル」になります。『白ダミー』なんて言い方もします。用途しては、 重量の確認 背幅の確認(本の背表紙) 撮影ダミー(表紙だけ印刷して、撮影に使う) などで使われることが多いです。こちらの事前に製作することにより重量が確認でき、結果としてはご発注へつながりました。
5. 最後に
今回は印刷物の重量計算と、束見本の作成したことによる受注案件をご紹介いたしました。 今回の印刷物は特殊なサイズなので計算が必要でしたが、 印刷物の定型サイズであるA4やB5なら、弊社の「印刷物重さ比較表」が非常に便利です(しつこい)。 調べるときなどに、ぜひご活用ください。
文章作成/茂木
■プロフィール
大学(新聞学科卒)において、メディアの猛勉強をした経験を活かし、お客様の制作案件にも対応する営業マン。サブカル好きな多趣味で、文章制作能力も高い。発送関連の知識は社内随一のDM博士。学者のような風貌だが、頼もしくもある弊社のオールドルーキー。CSR検定取得者。