『クロネコDM便』の終了と 2024年2月始まるから『クロネコゆうメール』はどうなるのか?
2023年6月、『クロネコDM便』の廃止と『クロネコゆうメール』の開始は、業界内で大きな話題となりました。DM便の廃止はもちろんですが、ゆうメールとの統合という点でも大きなニュースとなりました。 概要としては、ヤマト運輸が集荷を行い、日本郵便を配達を請け負います。
出展:日本郵政グループとヤマトグループ持続可能な物流サービスの推進に向けた基本合意について | ヤマトホールディングス株式会社 (yamato-hd.co.jp)
2月から『クロネコゆうメール』が開始されますが、まだまだ正式な発表されていない部分も多いです。判明している内容だけになりますが、現状をまとめます。
日本郵便とヤマト運輸のこれまでの関係性
ヤマト運輸が定型外のダイレクトメールを安価で発送できるサービス『クロネコメール便』は始め、それを追うように日本郵便が『冊子子包郵便物』→『ゆうメール』とサービスを開始しました。 ダイレクトメールを扱う発送物として大きく競合するサービスです。
ヤマト運輸が当時の郵政公社(現在の日本郵便)を独占禁止法違反で東京地方裁判所に提訴していますし、手紙やハガキの配達を郵便局以外に認めない「信書」問題を巡っても度々対立し、バチバチにやりあってきた2社でした。どうして協業することになったのでしょうか?
新サービス発足となった理由
こちらに関しては、以下の理由が公式に掲載されています。
【協業の主旨】
(1)両社の経営資源を有効活用することで、顧客の利便性向上に資する輸送サービスの構築と事業成長を図る。
(2)相互のネットワークやリソースを共同で活用することで、物流業界が抱える以下のような社会課題の解決を目指す。
①「2024年問題」(トラックドライバー不足など)の緩和への貢献
②環境問題(カーボンニュートラル)への貢献 出展:日本郵政グループとヤマトグループ持続可能な物流サービスの推進に向けた基本合意について | ヤマトホールディングス株式会社 (yamato-hd.co.jp)
どちらの問題も物流業界としては重要な問題ですが、両企業の課題としても大きな理由が予想されます。それは【宅配物の増加、郵便物の減少】です。
ヤマト運輸としてはECサイトの利用で宅配物がますます増えている状況で、単価として低いDM便に業務的負担がかかり続ける問題が。 日本郵便としてはDM便によって減ってしまった郵便物を、元々の配送網を使ってDM便を発送したい。という問題と利点がうまく合致し、今回の協業に繋がったわけです。
クロネコDM便とクロネコゆうメールの違い
今回新たにサービス開始する『クロネコゆうメール』は、従来の『クロネコDM便』と違う点があります。公式リリースとしては、下記となります。
出展:「クロネコDM便」取り扱い終了と「クロネコゆうメール」発売に伴う出荷についてのご案内 (kuronekoyamato.co.jp)
その中でも特に違う点が下記となります。
1 特約運賃契約企業名(差出名義)を郵送物に記載することが必須
個人で発送する場合のゆうメール運賃は定価ですが、特約運賃契約企業(大口差出業者)すなわち特定の法人名義であればその運賃が大幅に減額されます。そのため、差出人はその法人名義が必須でその社名が郵送物に記載されます。
2 配達精度が高い(転送サービスが可能に)
元々はパートや委託スタッフが配達するクロネコDM便とは違い、郵便配達をしている郵便局員が配達を担当するため、配達精度はとても高いのが特徴です。また、今では不達物は差戻になっていましたが、届け出があれば、転居先へ転送されるようになります。
3 配達状況の追跡サービスは無い
クロネコDM便の「荷物お問い合わせシステム」による配達状況の追跡確認サービスは、ゆうメールにはりません。
4 信書チェックが必須
「ゆうメールで送れないモノは、クロネコDM便で」というのが今までの「逃げ道」でしたが、これができなくなります。ゆうメールは事前に郵送物の信書チェックが必ず入るため、今までグレーだった配達物は「信書」として審査される可能性があります。その場合は、単価の高い普通郵便での発送になります。
最後に
いかがだったでしょうか。この大きな改変については、随時追記していければと考えています。 なにか気になる点があれば、お気軽にご相談ください。
文章作成/茂木
■プロフィール
大学(新聞学科卒)において、メディアの猛勉強をした経験を活かし、お客様の制作案件にも対応する営業マン。サブカル好きな多趣味で、文章制作能力も高い。発送関連の知識は社内随一のDM博士。学者のような風貌だが、頼もしくもある弊社のオールドルーキー。CSR検定取得者。